スポーツ
マウスガード

スポーツマウスガードは、スポーツ時の万が一に備えて装着するものであり、マウスガードとも呼ばれています。

スポーツは身体を動かしストレス発散できるため、心身ともに健康によいとされています。
しかし一方でケガもしやすく、前歯が折れてしまったり、お口の中が傷ついてしまったりするケースも少なくありません。

また、お口の中はとても複雑な構造をしているため、スポーツマウスガードの仕上がりによってはパフォーマンスコンディションに影響を与えかねません。
当院では、そのような事態を防ぐために装着が望まれるスポーツマウスガードは歯科医院で作製することができます。

スポーツマウスガードの最大のメリットは､ケガを最小限に抑えられることではありますが、そのほかにも次のようなメリットがあります。

●メリット

・お口のケガを未然に防げる

スポーツによる衝撃などから、歯や骨、粘膜などを守ります。

・市販のマウスピースに比べ適合性が高い

お口の中の型取りを採取して、患者さま専用のスポーツマウスガードを作製できます。

・外れにくい

お口の中にフィットするように設計されたスポーツマウスガードを作製できるため、プレイ中も外れにくくなっています。

・筋力と運動力の向上

スポーツマウスガードを装着することで、上下の歯がしっかりとかめている状態と近いものとなります。
しっかりと上下の歯をかみ込めるようになっているため、筋力や運動力の向上につなげられます。

・身体のバランスがとれる

スポーツマウスガードを装着することで、上下の歯がしっかりとかめている状態と近いものとなります。
スポーツ時にしっかりと食いしばれることで、身体のバランスもとれるようになり、フォームも整っていきます。

・相手のケガを回避

対戦相手との接触も多いスポーツの場合、歯が対戦相手を傷つける原因となることもあります。
しかし、スポーツマウスガードを装着していれば対戦相手を傷つける心配もありません。

・将来的な治療コストを削減

スポーツマウスガードを装着しケガを回避することで、治療を回避できコストも抑えられます。

どんなに優れたものであっても、デメリットが存在します。
そのためスポーツマウスガードの作製を考える際には、メリットだけではなく、必ずデメリットも把握しましょう。

●デメリット

・全額自己負担

市販のものに比べ費用が高く、保険診療も適用されません。
そのため、自己負担額は全額となります。

・作り替える必要性もある

1つのスポーツマウスガードは半永久的に使用できるわけではありません。

かみ込むことで、強い力がスポーツマウスガードに加わります。
そのため、使い続けるにつれて、すり減ったり、ヒビが入ったりすることも想定されます。

また、顎の成長期であった場合は、成長に合せて作り替える必要もでてきます。

壊れていたり、サイズが合わないスポーツマウスガードを使用し続けたりすることは、逆にケガをするリスクも高くなるため、定期的に作り替える必要があります。

スポーツのプレイ中は、身体や競技に必要な用具が顔面や顎に当たりやすく、強い衝撃が加わるリスクも多くあります。
歯が折れる、顎の骨が折れるなどといったケガを回避するために、スポーツマウスガードは大きく役立ちます。

競技内容の特徴から、次のスポーツを行う際にはスポーツマウスガードの装着が義務化されています。

・ボクシング
・キックボクシング
・アメリカンフットボール
・アイスホッケー
・インラインホッケー
・女子 ラクロス
・ラグビー（U-13からU-19まで義務化）
・空手の一部
・K-1
・総合格闘技

すべてのスポーツがスポーツマウスガードを装着してはいけないわけではありません。
ケガのリスクをできる限り回避できるようにスポーツマウスガードを用意することは、今後さらに求められるでしょう。

身体がぶつかりあったり、用具が顔面や顎に当たったりすることも想定される次のスポーツも、スポーツマウスガードの装着が推奨されています。

・バスケットボール
・野球
・サッカー
・陸上競技
・レスリング
・柔道
・相撲
・スキー
・スノーボード
・パワーリフティング

「スポーツにケガはつきもの」という言葉があるほど、スポーツ中はケガのリスクが高まります。
しかし、ケガはつきものと片付けてしまうと、大きなケガに繋がりかねません。

スポーツマウスガードは柔らかい樹脂でできているため、クッション性が高く、歯を包み込むように装着します。
歯ぎしり用のマウスピースの場合は、厚さ1〜2mm程度です。
一方で、スポーツマウスガードは厚さ3〜5mmと十分な厚さがあるため、歯や顎、お口の中が傷つくことを防止に役立ちます。

スポーツマウスガードを装着すると、次のようなさまざまな効果が期待できます。

●歯の折れや顎の骨折防止

スポーツ時は、歯や顎に強い衝撃が加わることも多くあります。
そのため歯が折れたり、顎の骨が折れたりするケガも少なくありません。
また、舌や頬の内側を歯でかんでケガをすることも多く、そのようなことも防止できます。

●脳しんとうの防止

スポーツマウスガードを装着することで、脳震盪になるリスクを低くできるといわれています。
クッション性の高いスポーツマウスガードが頭部に伝わる衝撃を和らげる効果が期待でき、結果的に脳震盪を防止できます。

出典：日本歯科医師会　歯とお口のことならなんでもわかる 8020テーマパーク「スポーツ歯科」

●飛躍力の向上

しっかりと上下の歯をかみ込むことで、飛躍力の向上が期待できると考えられています。
安全面はもちろんのこと、飛躍力を必要とする陸上競技やバスケットボール、フィギュアスケートなどを行う方にもおすすめです。

●１層構造タイプ

歯ぎしり用のマウスピースの場合は、厚さ1~2mm程度です。
一方で、マウスガードには3mm以上の厚さがあります。
1層構造タイプは名前のとおり、その厚さのシート1枚で形成されています。
この1層構造タイプが、マウスガードの基本的なものとなります。

●2層構造タイプ

1層構造タイプのシートを2枚重ねた状態のマウスピースです。
1層構造タイプのものより厚めの設計になっているため、衝撃が強く起こるコンタクトスポーツなどにおすすめのマウスピースです。

とくに次の競技を行っている方によく使用されています。

・ラグビー
・アメリカンフットボール
・アイスホッケー
・インラインホッケー
・空手
・キックボクシング
など

型取りから、マウスピースの受け渡しまで1〜2週間のお時間をいただいております。

また、型取りの前に虫歯がないかなどのチェックを行い、治療が必要となる疾患があれば治療を終えてから型取りを行います。
そのため、予定よりもスポーツマウスガードを作製するまでにお時間がかかってしまうケースもあります。

●破損や変形を防ぐために

スポーツマウスガードは基本的に柔らかい樹脂でできています。
そのため、正しい方法で保管できていない場合、破損してしまったり、変形してしまったりすることもあります。

正しいスポーツマウスガードの保管方法は次の通りです。

・ケースに入れて保管

スポーツマウスガードを使用しない時は、専用のケースに入れて保管しましょう。

・流水で洗う

使用した後は流水で洗い、しっかりと水分を拭き取り清潔に保ちましょう。

・熱湯を避ける

熱湯で洗うと変形することがあるため避けましょう。

・室内温度に注意する

部屋や車の温度が高い場所に放置してしまうと変形することがあるため、長時間放置することは避けましょう。

・暖房器具

暖房器具の前に放置してしまうと変形することがあります。

・ポケットやカバンの中に直接入れない

スポーツ時にポケットに入れたままにしてしまう、カバンに直接入れてしまうなどすると、破損や変形のことがあるため、専用ケースで保管するようにしましょう。

●虫歯に注意

スポーツ時は、砂糖が含まれるジュースやスポーツ飲料を飲む機会も多くあります。
そのままスポーツマウスガードを装着することで虫歯リスクが高まります。

また、食事後に歯磨きをしないままスポーツマウスガードを装着してしまうと唾液の流れが遮断されてしまいます。
そうするとで、スポーツマウスガードの中で細菌が増殖するため、虫歯になりやすくなります。

食後の歯磨きやスポーツマウスガード使用後の清掃などが重要なポイントとなります。
また、スポーツマウスガード使用期間中に虫歯治療となった際には、スポーツマウスガードの作り替えが必要になるケースもあります。

そのため、スポーツマウスガードを使用する際には、次の項目に注意しましょう。

・ジュースやスポーツドリンクをなるべく控える

虫歯は糖分を好み増殖するため、水やお茶を飲むように意識しましょう。

・食後の歯磨き

食後の歯磨きが難しい場合はうがいをしましょう。

・歯間ブラシやデンタルフロスを活用する

歯ブラシだけでは十分に除去することが難しく、より虫歯を予防するために歯間ブラシやデンタルフロスなどの歯間清掃補助器具を活用しましょう。