歯茎の腫れが示すサインとは?
原因と治療法を専門医が徹底解説
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「最近、歯磨きをすると歯茎から血が出る」「鏡で見ると歯茎が赤く腫れている」「奥歯の歯茎が腫れて、食事の際に痛みを感じる」
このような歯茎の腫れや不快感は、多忙な日々を送る中でつい後回しにしてしまいがちな症状かもしれません。
しかし、その腫れは、あなたの身体が発している重要な危険信号(サイン)です。
歯茎の腫れは、単なる一時的な不調ではなく、歯周病をはじめとする様々な口腔疾患の兆候であり、放置することで歯を失うだけでなく、全身の健康にまで悪影響を及ぼす可能性が指摘されています。
この記事では、歯茎の腫れに悩む方、あるいは「痛くないから大丈夫」と自己判断してしまっている方のために、考えられる主な原因、放置するリスク、そして根本的な解決に導くための専門的な治療法までを、専門家の視点から網羅的に解説します。
この記事を読めば、あなたの歯茎の腫れの正体と、今すぐ取るべき行動が明確になるはずです。
目次
01.歯茎の腫れ、その原因は?考えられる5つの主要な原因
02.すぐに歯医者に行けない時の応急処置とNG行動
03.歯茎の腫れを放置する深刻なリスク|口腔内から全身へ
04.なぜ横浜エス歯科クリニックが選ばれるのか
05.横浜エス歯科クリニックでの精密検査・治療の流れ
06.歯茎の腫れに関するよくある質問
07.当院のご紹介
08.関連メニューページ
歯茎の腫れ、その原因は?考えられる5つの主要な原因
歯茎が腫れる原因は一つではありません。
原因を正確に特定することが、適切な治療への第一歩となります。
自己判断で「疲れが原因だろう」と放置せず、専門家による診断を受けることが重要です。
1. 歯周病(歯肉炎・歯周炎)
歯茎の腫れの原因として最も多く見られるのが歯周病です。
歯周病は、歯と歯茎の間に溜まったプラーク(歯垢)に含まれる細菌によって引き起こされる炎症性の疾患です。
歯肉炎
歯周病の初期段階。
プラークによって歯茎が炎症を起こし、赤く腫れたり、歯磨きの際に出血したりします。
この段階であれば、正しいセルフケアと歯科医院でのクリーニングによって健康な状態に戻すことが可能です。
歯周炎
歯肉炎が進行し、炎症が歯を支える骨(歯槽骨)にまで及んだ状態です。
歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)が深くなり、膿が出たり、歯がぐらついたりすることもあります。
ここまで進行すると、専門的な治療が不可欠です。
2. 根尖性歯周炎(歯の根の先に膿が溜まる病気)
過去に治療した歯の根元や、神経が死んでしまった歯の根の先に細菌が感染し、膿の袋(根尖病巣)ができる病気です。
大きな虫歯を放置したり、過去の根管治療が不十分だったりした場合に起こります。
主な症状として、歯茎に「おでき」(フィステル)のようなものができ、そこから膿が出ることがあります。
一度激しい痛みが治まった後に、再び腫れや違和感として現れることも少なくありません。
3. 智歯周囲炎(親知らずの問題)
親知らずが横向きや斜めに生えていたり、完全に生えきっていなかったりすると、歯と歯茎の間に汚れが溜まりやすくなります。
その結果、細菌が繁殖して炎症を起こし、奥歯の歯茎が大きく腫れて強い痛みを生じることがあります。
これを智歯周囲炎と呼びます。
口が開きにくくなる(開口障害)といった症状を伴うこともあり、ストレスや疲労で体の免疫力が低下した際に症状が出やすいのも特徴です。
4. 歯の破折・ひび(マイクロクラック)
歯ぎしりや食いしばりの癖、あるいは硬いものを噛んだ衝撃で、歯に目には見えないほどの微細なひびが入ることがあります。
このひびから細菌が侵入し、歯茎の腫れや噛んだ時の鋭い痛みを引き起こすことがあります。
レントゲン写真だけでは診断が難しく、発見が遅れるケースも少なくありません。
5. その他の原因
上記以外にも、以下のような原因で歯茎が腫れることがあります。
不適合な被せ物や詰め物
古い修復物の縁に隙間や段差があると、そこにプラークが溜まり、歯茎の炎症を引き起こします。
口内炎
ウイルスや細菌、物理的な刺激によって歯茎の粘膜に炎症が起き、腫れや痛みを伴います。
良性・悪性の腫瘍
非常に稀ですが、歯茎にできる腫瘍が原因の場合もあります。
長期間腫れが引かない場合は注意が必要です。
すぐに歯医者に行けない時の応急処置とNG行動
突然の強い痛みや腫れで、すぐに歯科医院に行けない場合もあるでしょう。
あくまで一時的な対処ですが、痛みを和らげる方法と、逆に症状を悪化させる行動を知っておくことが重要です。
効果的な応急処置
患部を冷やす
痛む側の頬の外側から、濡れタオルやタオルで包んだ保冷剤を当てて冷やします。
血流を穏やかにし、痛みを和らげる効果が期待できます。
市販の痛み止めを服用する
用法・用量を守って鎮痛剤を服用するのも有効です。
口の中を清潔にする
ぬるま湯で優しくうがいをして、食べかすなどの刺激物を取り除きましょう。
症状を悪化させるNG行動
患部を直接刺激する
気になっても指や舌で触らないでください。細菌が入り、症状が悪化する恐れがあります。
血行を促進する行為(飲酒・長時間の入浴・激しい運動)
血行が良くなると、炎症が強まり痛みが悪化します。
飲酒は絶対に避け、入浴はぬるめのシャワーで済ませましょう。
氷を直接口に含む
患部を直接冷やすと、強すぎる刺激でかえって激痛を引き起こす可能性があります。
これらの応急処置は、根本的な解決にはなりません。
痛みが一時的に治まっても、原因は進行しています。
必ず専門家である歯科医師の診断を受けてください。
歯茎の腫れを放置する深刻なリスク|口腔内から全身へ
「少し腫れているだけ」「痛みが治まったから大丈夫」と放置することは、将来の健康に対する大きなリスクを伴います。
歯茎の腫れというサインを無視すると、問題は口腔内にとどまらず、全身へと波及する可能性があります。
口腔内でのリスク:歯を失うまでのドミノ倒し
歯茎の腫れを放置すると、口の中では感染がドミノ倒しのように進行します。
歯を支える骨が溶ける
歯周病が進行すると、歯を支えている顎の骨(歯槽骨)が徐々に溶かされていきます。
一度溶けてしまった骨は、基本的には元に戻りません。
歯の喪失
骨の支えを失った歯はぐらつき始め、最終的には自然に抜け落ちるか、抜歯せざるを得ない状況になります。
1本の歯を失うと、噛み合わせのバランスが崩れ、周囲の健康な歯にも負担がかかるという悪循環に陥ります。
感染の拡大(顎骨炎)
根尖性歯周炎や重度の歯周病を放置すると、感染が顎の骨全体に広がり「顎骨炎」という重篤な状態に至ることがあります。
顔が大きく腫れ上がり、発熱を伴うなど、入院や長期の治療が必要になる場合もあります。
全身へのリスク:歯周病菌が血管を通じて全身を巡る
近年の研究で、歯周病が全身の様々な疾患と密接に関連していることが科学的に証明されています。
炎症を起こした歯茎の血管から歯周病菌や毒素が体内に入り込み、血液に乗って全身を巡ることで、以下のような深刻な病気のリスクを高めるのです。
心血管疾患(心筋梗塞・脳梗塞)
歯周病菌が血管の壁に付着し、動脈硬化を促進することが分かっています。
これにより血管が詰まりやすくなり、心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まります。
糖尿病
歯周病は「糖尿病の第6の合併症」とも呼ばれ、相互に悪影響を及ぼします。
歯周病による炎症は血糖コントロールを悪化させ、逆に高血糖は歯周病を進行させます。
誤嚥性肺炎
特に高齢者において、歯周病菌を含む唾液が誤って気管に入ることで起こる肺炎です。
認知症・がん
最近では、歯周病菌がアルツハイマー型認知症の原因物質の蓄積を促進する可能性や、特定のがんのリスクを高める可能性も指摘されています。
歯茎の腫れは、単なる口の問題ではなく、あなたの将来の健康寿命を左右する重要な問題なのです。
なぜ横浜エス歯科クリニックが
選ばれるのか
歯茎の腫れの治療は、原因をいかに正確に診断し、いかに精密に根本原因を除去できるかにかかっています。
横浜駅東口から徒歩2分という好立地にありながら、当院が多くの患者様から選ばれるのには、明確な理由があります。
1. 原因特定率を高める「精密診断能力」
当院では、二次元のレントゲン写真だけでは判別が困難な歯茎の腫れの原因を特定するため、歯科用CTによる三次元的な精密診断を標準的に行っています。
歯科用CTは、歯の根の状態、膿の広がり、歯を支える骨の吸収レベルなどをミリ単位で正確に把握できます。
これにより、「歯周病」と「根尖性歯周炎」の鑑別や、親知らずと神経の位置関係などを術前に詳細にシミュレーションでき、原因の特定率を飛躍的に高め、安全で確実な治療計画を立案します。
2. 再発を防ぐ「精密治療技術」
原因を取り除く治療の精度が、再発リスクを大きく左右します。
当院では、歯科医師の肉眼に頼った治療は行いません。
歯科用マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を全診療室に完備し、治療部位を最大20倍以上に拡大した明るい視野の下で治療を行います。
これにより、歯周ポケットの深部にこびりついた歯石や、複雑な根管内の感染源など、肉眼では決して見えないレベルの汚染物質まで徹底的に除去することが可能です。
この「見える精密治療」こそが、再発のリスクを最小限に抑えるための絶対条件です。
3. 難症例にも対応する「チーム医療体制」
歯茎の腫れの原因は多岐にわたるため、一つの分野の知識だけでは対応が困難なケースも少なくありません。
横浜エス歯科クリニックには、日本歯周病学会に所属する歯科医師、歯内療法(根管治療)を得意とする歯科医師、口腔外科の専門医など、各分野のエキスパートが在籍しています。
それぞれの専門医が連携し、一人の患者様に対して多角的な視点から最適な治療計画を立案・実行する「チーム医療体制」を構築。
これにより、どんなに複雑な原因が絡み合った症例でも、院内で完結する質の高い医療を提供します。
4. プライバシーと快適性を両立した「完全個室の診療環境」
デリケートなお口の悩みを、他の患者様に聞かれる心配はありません。
当院の診療室はすべてプライバシーに配慮した完全個室です。
落ち着いた空間で、周囲を気にすることなく、医師とのカウンセリングや治療に集中していただけます。
これは、質の高い治療に不可欠な信頼関係を築くための、私たちのこだわりです。
横浜エス歯科クリニックでの精密検査・治療の流れ
当院では、患者様一人ひとりに安心して治療を受けていただくため、科学的根拠に基づいた丁寧なプロセスを徹底しています。
STEP1:初診・カウンセリング(約60分)
まずは患者様の症状やお悩み、治療に対するご希望を専門のカウンセラーがじっくりお伺いします。
強引に治療を進めることは一切ありません。
信頼関係の構築を第一に考えています。
STEP2:精密検査(歯科用CT・歯周組織検査など)
現在の状態を正確に把握するため、歯科用CT撮影、口腔内写真撮影、歯周ポケット測定など、必要な各種検査を行います。
検査データは、治療計画を立てるための客観的で重要な資料となります。
STEP3:治療計画の立案とご説明(インフォームド・コンセント)
検査結果を基に、担当医が現在の口腔内の状況を分かりやすくご説明します。
考えられる治療法の選択肢を複数提示し、それぞれのメリット・デメリット、期間、費用についても詳細にご説明します。
患者様ご自身が十分に納得した上で、治療方針を共に決定します。
STEP4:原因に応じた精密治療の実施
同意いただいた治療計画に基づき、各分野の専門医が連携して精密治療を開始します。
歯周病が原因の場合
歯石除去(SRP)や、必要に応じて歯周外科治療を行います。
根管治療が必要な場合
マイクロスコープとラバーダム(治療部位への細菌侵入を防ぐゴムのシート)を使用し、成功率の高い精密根管治療を行います。
親知らずが原因の場合
CTで神経や血管の位置を三次元的に確認した上で、安全を最優先した抜歯を行います。
STEP5:再発を防ぐ予防・メンテナンスプログラム
治療が完了したら、それがゴールではありません。
再発を防ぎ、長期的に健康な状態を維持するための、一人ひとりに合わせたメンテナンスプログラムをご提案します。
専門の歯科衛生士が、定期的なクリーニングとセルフケア指導で、あなたのお口の健康を生涯にわたってサポートします。
歯茎の腫れに関するよくある質問
Q1. 歯茎が腫れたら、すぐに歯医者に行くべきですか?
A1. はい、できるだけ早く受診することをお勧めします。
歯茎の腫れは、体が発する異常のサインです。
特に痛みを伴う場合や、腫れがどんどん大きくなる場合は、急性炎症を起こしている可能性があります。
放置することで症状が悪化し、治療がより複雑になるケースが多いため、早期の診断と対処が重要です。
Q2. 腫れている部分を自分で潰して膿を出してもいいですか?
A2. 絶対にやめてください。
自分で潰すと、指や器具についた細菌が傷口から入り込み、さらに感染を広げてしまう危険性があります。
また、根本的な原因は解決されないため、すぐに再発します。
膿が出ている場合は、専門家による適切な排膿と原因除去が必要です。
Q3. 痛みがない場合でも治療は必要ですか?
A3. 必要です。
特に歯周病は「サイレント・ディジーズ(静かなる病気)」と呼ばれ、痛みなどの自覚症状がないまま進行することが多い病気です。
痛みがないからといって放置すると、気づいた時には手遅れ(抜歯)ということも少なくありません。
痛みがない腫れこそ、注意が必要です。
Q4. 歯茎の腫れは市販薬で治りますか?
A4. 市販の塗り薬やうがい薬は、一時的に症状を緩和させることはあっても、根本的な原因を治すことはできません。
薬でごまかしている間に、原因である歯周病や根の病気は進行し続けてしまいます。
必ず歯科医院で原因を特定し、適切な治療を受けてください。
Q5. ストレスや疲れが原因で歯茎が腫れることはありますか?
A5. はい、大きく関係します。
ストレスや疲労は、体の免疫力を低下させます。
普段は抑えられていた歯周病菌などが活発になり、歯茎が急性炎症を起こして腫れることがあります。
ただし、根本には歯周病などの原因が潜んでいる場合がほとんどで、ストレスはあくまで症状を悪化させる「引き金」と考えるべきです。
Q6. 治療には何回くらい通う必要がありますか?
A6. 原因や症状の重症度によって大きく異なります。
初期の歯肉炎であれば1〜2回で改善することもありますが、進行した歯周病や複雑な根管治療が必要な場合は、数ヶ月単位の治療期間が必要になることもあります。
初診の精密検査の段階で、治療計画と共におおよその期間と回数の目安をご提示します。
Q7. 歯周病の治療は痛いですか?
A7. 当院では、痛みを最小限に抑える「無痛治療」を心掛けています。治療の際には必要に応じて麻酔を使用しますし、麻酔注射自体の痛みも表面麻酔や極細の針を用いることで軽減します。
特にマイクロスコープを用いた治療は、歯茎への負担が少ない低侵襲な治療が可能です。
Q8. 治療費用はどのくらいかかりますか?
A8. 治療内容によって保険適用の治療と、より精度や審美性を追求する保険適用外(自由診療)の治療があり、費用は異なります。
例えば、歯周病の基本治療は保険適用ですが、マイクロスコープを用いた精密根管治療や、より高度な歯周外科治療は自由診療となります。
カウンセリングの際に、それぞれの選択肢の費用についても明確にご提示しますので、ご安心ください。
Q9. 親知らずが原因の場合、必ず抜かなければいけませんか?
A9. 必ずしも全ての親知らずを抜く必要はありません。
問題なく生えており、清掃もきちんとできている場合はそのままで問題ありません。
しかし、繰り返し腫れや痛みを引き起こす場合や、隣の歯に悪影響を及ぼしている場合は、抜歯が推奨されます。
CTによる精密診断の上で、抜歯の必要性を慎重に判断します。
Q10. 歯茎の腫れを予防する方法はありますか?
A10. 最も重要なのは、原因となるプラークを徹底的に除去することです。
毎日の丁寧な歯磨きに加え、歯ブラシだけでは届かない歯と歯の間をデンタルフロスや歯間ブラシで清掃する習慣が不可欠です。
そして、セルフケアだけでは除去できない歯石やバイオフィルムを取り除くため、3〜6ヶ月に一度の歯科医院での定期的なプロフェッショナルケア(PMTC)を受けることが、最も効果的な予防法です。
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