歯茎から血が出る原因と正しい対処法を専門医が徹底解説
症状から記事を探す
「歯磨きのたびに、歯ブラシに血が付く」「フロスを通すと必ず出血する」「リンゴをかじると、歯茎から血が滲む」。
このような経験は、多くの方が一度は体験したことがあるかもしれません。
「強く磨きすぎただけ」「いつものことだから」と、つい軽視してしまいがちですが、その出血は、あなたの歯茎が発している見過ごしてはならないSOSサインです。
健康な歯茎は、適切な歯磨き程度の刺激で簡単に出血することはありません。
歯茎から血が出るという症状は、そのほとんどが歯周病の初期段階である「歯肉炎」の典型的なサインであり、放置すれば歯を失うだけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼす可能性があります。
この記事では、「歯茎からの出血」に悩む方、あるいは症状を自覚しながらも放置してしまっている方のために、出血の根本的な原因、放置するリスク、そして再発させないための専門的な治療法までを、専門家の視点から網羅的に解説します。
この記事を読めば、なぜあなたの歯茎から血が出るのか、そして、健康な未来のために今すぐ何をすべきかが明確になるはずです。
目次
01.歯茎から血が出る主な原因|それは身体からのSOSサイン
02.なぜ出血する?歯茎の炎症と歯周病のメカニズム
03.歯茎から血が出た時の正しい対処法
04.歯を失うリスクと全身への影響
05.横浜エス歯科クリニックが選ばれる理由
06.精密検査から予防メンテナンスまでの流れ
07.歯茎からの出血に関するよくある質問
08.当院のご紹介
09.関連メニューページ
歯茎から血が出る主な原因|それは身体からのSOSサイン
歯茎から血が出る原因は様々ですが、その大半は口腔内のトラブルに起因します。
特に、歯周病が原因であることが圧倒的に多いのが実情です。
1. 歯周病(歯肉炎・歯周炎)
歯茎から出血する場合、
その原因の9割以上は歯周病と考えられています。
歯周病は、プラーク(歯垢)に含まれる細菌によって歯茎に炎症が起きる感染症で、進行段階によって「歯肉炎」と「歯周炎」に分けられます。
歯肉炎
歯周病の初期段階です。
プラーク内の細菌が産生する毒素によって歯茎に炎症が起こり、赤く腫れたり、歯磨きなどの刺激で出血したりします。
この段階では、まだ歯を支える骨に影響はなく、痛みもほとんど感じません。
しかし、このサインを見逃すと、より深刻な「歯周炎」へと進行してしまいます。
歯周炎
歯肉炎が進行し、炎症が歯を支える顎の骨(歯槽骨)にまで広がった状態です。
歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)が深くなり、膿が出たり、口臭が強くなったり、歯がグラグラしたりといった症状が現れます。
ここまで進行すると、セルフケアだけで治すことは不可能であり、専門的な治療が不可欠です。
2. 不適合な被せ物や詰め物
過去に治療した被せ物や詰め物の縁に段差があったり、形が合っていなかったりすると、その隙間にプラークが溜まりやすくなります。
その結果、特定の歯の周りだけ歯茎が炎症を起こし、出血の原因となることがあります。
3. 磨き方が強すぎる(過度なブラッシング圧)
硬い歯ブラシを使い、力を入れてゴシゴシと磨く習慣があると、歯茎の表面を傷つけて出血させてしまうことがあります。
しかし、これは健康な歯茎であれば起こりにくい現象です。
多くの場合、既に歯肉炎によって歯茎が弱っているために、強い力で簡単に出血してしまっていると考えられます。
4. 全身疾患や服用薬の影響
非常に稀なケースですが、糖尿病や白血病、血小板減少症といった全身の病気が原因で、歯茎から出血しやすくなることがあります。
また、一部の降圧剤(血圧を下げる薬)などの副作用として、歯茎が腫れたり出血したりすることも報告されています。
しかし、これらの場合でも、口腔内の清掃状態が良好であれば症状は出にくいため、まずは歯科的な原因を疑うのが一般的です。
なぜ出血する?歯茎の炎症と歯周病のメカニズム
では、なぜ歯周病になると歯茎から血が出るのでしょうか。
それは、身体の防御反応と、その結果として歯茎が弱ってしまうことに原因があります。
1. 細菌との戦いの始まり(炎症)
歯と歯茎の境目にプラークが溜まると、プラーク内の歯周病菌が毒素を出し始めます。
すると、身体はこれを異物とみなし、細菌を攻撃するために歯茎の毛細血管を通じて多くの白血球を送り込みます。
この時、歯茎は血流が増えて充血し、赤く腫れた「炎症」状態になります。
2. 刺激に弱くなる歯茎(血管の脆弱化)
炎症状態が続くと、歯茎の組織はもろくなり、新しく作られた毛細血管の壁も非常に薄く、壊れやすい状態になります。
3. わずかな刺激で出血
このように弱った歯茎は、歯ブラシの毛先が触れたり、フロスが通ったりといったごくわずかな刺激にも耐えられず、血管が破れて出血してしまうのです。
これが、歯磨きのたびに血が出るメカニズムです。
歯茎から血が出た時の正しい対処法
出血に驚いて、歯磨きをためらってしまう方も多いかもしれません。
しかし、それが症状を悪化させる最も大きな原因です。
やってはいけないこと:「出血を怖がり、磨かない」
多くの方が陥りがちなのが、「血が出るから、その部分はそっと磨く、あるいは磨かない」という悪循環です。
出血を恐れてブラッシングが不十分になると、原因であるプラークはさらに蓄積し、炎症を悪化させます。
その結果、歯茎はさらに弱り、もっと簡単に出血するようになってしまうのです。
今すぐできるセルフケアの見直し
出血は「そこに汚れが溜まっているサイン」と捉え、怖がらずに、しかし優しく丁寧にケアすることが重要です。
歯ブラシを見直す
毛先が硬いものを使っている場合は、「やわらかめ」の歯ブラシに変更しましょう。
磨き方を見直す
歯ブラシを鉛筆のように軽く持ち(ペングリップ)、歯と歯茎の境目に45度の角度で毛先を当て、小刻みに優しく振動させるように磨きます。
ゴシゴシと大きく動かすのは禁物です。
歯間清掃を徹底する
歯と歯の間のプラークは、歯ブラシだけでは約6割しか除去できません。
出血しやすい場所こそ、デンタルフロスや歯間ブラシを優しく通し、細菌の温床となるプラークを徹底的に取り除く必要があります。
正しいケアを続ければ、軽度の歯肉炎であれば1〜2週間で出血は改善してきます。
しかし、2週間以上セルフケアを続けても出血が治まらない場合は、セルフケアだけでは除去できない歯石が付着している、あるいは歯周炎に進行している可能性が非常に高いため、速やかに歯科医院を受診してください。
歯を失うリスクと全身への影響
「たかが歯茎からの出血」と侮ってはいけません。
そのサインを放置することは、取り返しのつかない結果を招く可能性があります。
口腔内のリスク:気づかぬうちに歯を失う
歯を支える骨が溶ける
歯周炎へと進行すると、炎症は歯茎の下にある歯槽骨を溶かし始めます。
歯槽骨は歯を支える土台であり、一度失われると元に戻すことは非常に困難です。
歯が抜ける
土台を失った歯は、次第にぐらつき始めます。
そして最終的には、噛む力に耐えられなくなり自然に抜け落ちるか、抜歯するしかなくなります。
成人が歯を失う最も大きな原因は、虫歯ではなく歯周病です。
口臭の悪化と見た目の問題
歯周ポケットが深くなると、中で細菌が繁殖し、膿が混じった強い口臭(歯周病特有の臭い)を放つようになります。
また、歯茎が下がる(歯肉退縮)ことで歯が長く見え、見た目の美しさも損なわれます。
全身へのリスク:歯周病菌が全身の健康を蝕む
歯茎からの出血は、歯周病菌が体内に侵入するための「開いた扉」のようなものです。
炎症を起こした歯茎の血管から、歯周病菌や菌が出す毒素が血流に乗り込み、全身を巡ることで、様々な病気のリスクを高めることが分かっています。
糖尿病
歯周病は「糖尿病の第6の合併症」とも呼ばれています。
歯周病による慢性的な炎症は、血糖値を下げるインスリンの働きを悪くし、血糖コントロールを困難にします。
心血管疾患(心筋梗塞・脳梗塞)
歯周病菌が血管壁にダメージを与え、動脈硬化を促進することで、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを高めることが指摘されています。
誤嚥性肺炎
特に高齢者において、歯周病菌を含む唾液が誤って気管に入ることで引き起こされる肺炎です。
認知症や妊娠トラブル
その他にも、アルツハイマー型認知症や、早産・低体重児出産などとの関連も報告されています。
歯茎からの出血を止めることは、お口の中の健康だけでなく、あなたの将来の全身の健康を守ることにも直結しているのです。
横浜エス歯科クリニックが選ばれる理由
歯茎からの出血を根本的に解決し、再発を防ぐためには、原因を正確に診断し、感染源を徹底的に除去する「精密治療」が不可欠です。
横浜駅徒歩2分という利便性の高い立地で、なぜ当院が精密な歯周病治療を求める患者様に選ばれ続けているのか。
その理由をご説明します。
1. 科学的根拠に基づく「精密診断」
歯周病治療の成否は、治療前の診断の精度にかかっています。
当院では、歯科用CTを標準的に使用し、通常のレントゲンでは分からない歯を支える骨の状態を三次元的に、かつミリ単位で正確に把握します。
これにより、歯周病の進行度を客観的なデータで評価し、科学的根拠に基づいた、一人ひとりに最適な治療計画を立案します。
2. 感染源を徹底除去する「精密治療」
歯周病の直接の原因は、歯周ポケットの深部にこびりついた歯石やバイオフィルム(細菌の塊)です。
当院では、歯科医師の肉眼に頼った手探りの治療は行いません。
歯科用マイクロスコープ(手術用顕微鏡)を完備し、治療部位を最大20倍以上に拡大した視野で、感染源を除去します。
この「見える治療」により、歯茎へのダメージを最小限に抑えながら、再発のリスクを限りなく低減させることが可能です。
3. 日本歯周病学会所属の
歯科医師による「高度な治療計画」
横浜エス歯科クリニックには、日本歯周病学会に所属する歯科医師が在籍しています。
軽度な歯肉炎から、骨の再生が必要な重度の歯周炎まで、あらゆる症例に対して最適な治療を提供できます。
4. 完全個室での「丁寧なカウンセリング」
歯周病は生活習慣とも密接に関わるため、治療には患者様との対話が欠かせません。
当院はプライバシーに配慮した完全個室制ですので、周囲を気にすることなく、お悩みや不安をじっくりとご相談いただけます。
患者様にご納得いただくまで丁寧に説明し、二人三脚で治療を進めていくことをお約束します。
精密検査から予防メンテナンスまでの流れ
当院では、以下のステップに沿って、科学的根拠に基づいた丁寧な歯周病治療を進めてまいります。
STEP1:カウンセリングと問診
まずは完全個室で、出血などの症状、お悩み、生活習慣、治療へのご希望などを詳しくお伺いします。
STEP2:精密検査(歯周ポケット検査、レントゲン・CT撮影)
歯周ポケットの深さの測定、レントゲンおよび歯科用CTによる骨の状態の確認など、現在の状態を正確に把握するための各種検査を行います。
STEP3:診断と治療計画のご説明(インフォームド・コンセント)
検査結果を基に、現在の歯周病の進行度を診断し、今後の治療計画について詳しくご説明します。
治療の選択肢、それぞれのメリット・デメリット、期間や費用についても明確に提示し、患者様にご納得いただいた上で治療を開始します。
STEP4:歯周基本治療(スケーリング・ルートプレーニング、ブラッシング指導)
治療の基本は、原因であるプラークと歯石の除去です。
専門の歯科衛生士によるブラッシング指導と並行し、マイクロスコープを用いて歯周ポケットの深部の歯石を精密に除去します(スケーリング・ルートプレーニング)。
STEP5:再評価と歯周外科治療(必要な場合)
基本治療後、歯茎の状態がどの程度改善したかを再評価します。
深い歯周ポケットが残るなど、基本治療だけでは改善が難しい場合には、歯周外科治療(フラップ手術など)も選択肢となります。
STEP6:定期メンテナンス(SPT)
治療によって改善した良好な状態を維持するため、定期的なメンテナンスが最も重要です。
3〜6ヶ月に一度、専門的なクリーニング(PMTC)と検診を行い、歯周病の再発を徹底的に防ぎます。
歯茎からの出血に関するよくある質問
Q1. 血が出たり出なかったりしますが、大丈夫ですか?
A1. 少し問題があります。
出血があるということは、少なくとも歯茎に炎症が起きている証拠です。
体調によって症状が変化することはよくありますが、原因が解決されたわけではありません。
症状がない時でも病気は進行している可能性がありますので、一度専門家にご相談ください。
Q2. どのくらいで血が止まるものですか?
A2. 軽度の歯肉炎で、原因であるプラークが正しく除去されれば、1〜2週間で出血はかなり治まってきます。
もし2週間以上、丁寧なセルフケアを続けても出血が改善しない場合は、歯石の付着や歯周炎への進行が疑われるため、必ず歯科医院を受診してください。
Q3. 血が出る部分を避けて磨いてもいいですか?
A3. いいえ、それは逆効果です。
出血の原因はプラーク(細菌)なので、避けて磨くと細菌がさらに増殖し、炎症が悪化してしまいます。
出血を怖がらず、柔らかい歯ブラシで優しく丁寧に磨くことが重要です。
正しい磨き方は、歯科医院で指導を受けることをお勧めします。
Q4. 歯石取り(スケーリング)をしたら、余計に血が出るようになりました。
A4. それは一時的な反応であり、治癒過程の一部です。
歯石を取ることで、隠れていた炎症部分が刺激されたり、歯茎が引き締まる過程で一時的に出血しやすくなったりすることがあります。通常は数日で治まり、その後は出血しにくい健康な歯茎になっていきますのでご安心ください。
Q5. 電動歯ブラシは歯茎に悪いですか?
A5. 正しく使えば非常に効果的なツールです。
しかし、強く押し付けすぎると歯茎を傷つける原因になります。
羽で触れるような軽い力で当てるのがコツです。
機種によって適切な使い方が異なるため、歯科医院で指導を受けると良いでしょう。
Q6. うがい薬だけで出血は治せますか?
A6. うがい薬は、一時的に口の中の細菌を減らし、症状を緩和させる効果はありますが、根本原因である歯石やバイオフィルムを除去することはできません。
あくまで補助的なものと考え、機械的な清掃である歯磨きと歯科医院でのクリーニングが基本となります。
Q7. 歯周病は他の人にうつりますか?
A7. 歯周病は感染症なので、唾液を介してうつる可能性があります。
特に、夫婦間や親子間での感染リスクが指摘されています。
食器の共有や口移しなどは、注意が必要です。
Q8. タバコは歯茎の出血に関係ありますか?
A8. はい、大いに関係します。
喫煙は血管を収縮させるため、歯茎の血流を悪くします。
そのため、炎症が起きていても出血しにくく、病気の発見が遅れるという非常に危険な状態になります。
また、免疫力を低下させ、治療の治りも悪くするため、歯周病の最大のリスク因子の一つです。
Q9. 歯周病治療の費用はどのくらいですか?
A9. 歯周病の基本治療(検査、歯石取り、ブラッシング指導など)は、健康保険が適用されます。
重度の歯周病で、再生療法などの高度な外科治療や、マイクロスコープを用いた精密治療を行う場合は、保険適用外(自由診療)となります。
カウンセリング時に、費用についても詳しくご説明します。
Q10. 定期検診はどれくらいの頻度で通えばいいですか?
A10. お口の状態によって異なりますが、一般的には3〜6ヶ月に一度の定期メンテナンスを推奨しています 。
この頻度で専門的なケアを受けることが、歯周病の再発防止に極めて効果的です。
当院のご紹介
東京・神奈川に6店舗を展開するグループ

各院にマイクロスコープやCTなどの精密機器を完備し、質の高い治療を安定的に提供できる体制が整っています。
他院にはないグループ連携による技術力と安心感が強みです。
横浜駅東口から徒歩2分!

当日の空き状況によっては、急なご予約にも柔軟に対応可能です。
お仕事帰りや買い物ついでにも立ち寄れる便利な立地です。
完全個室で安心のプライベート空間

周囲の目を気にせず、治療中もリラックスできる空間です。
ちょっとした疑問や不安も気兼ねなく相談しやすく、プライバシーを大切にしたい方にも最適な環境が整っています。
